PUGS//rec@Chicago/day:1

さあて、ようやくレコーディングが始まりました。なにせまだ未完成の手作りスタジオですから、配線がちゃんと繋がっているのやらってとこです。昼くらいから楽器のセットを始めるのと同時にミキサーのスティーブ・アルビニさんもマイクを立てたり、ケーブルを繋いだりで忙しい。
日本のレコーディング・スタジオですと、ミキサーの人はつまみのたくさん付いたミキサー卓の前に座って、音作りに専念します。ケーブルを繋ぐ、テープをかける、テープ・レコーダーを回す止める等細かい作業はアシスタントというスタジオ専属の人(時として人権を無視したような扱いを受ける)が請け負います。でもこちらの場合は『たいがいミキサーの人が自分で全部やるんだよね。』(Hoppy談)だそうで、アルビニさんも二階のコントロール・ルームと下のスタジオを行ったり来たり、大変ご苦労様ですな。日本だと「差し替え」といって、録音した演奏のある一部(時には歌詞一文字だったりもする)を録音しなおすような超重要な仕事も新人アシスタントがやってたりする。でもってミスしたりすりゃあ大目玉なんですから、たまったもんじゃあないですわな。

準備ができて各楽器の音作りがすめば、あとはガンガン録っていくのみ。もちろん世界一といっても過言でないほどよく設備の整った日本のスタジオのようにはいきませんが、そこはそれ、味っていうんですか?手作りならではの楽しさがあるわけですよ、スタジオにも。豪華温泉ホテル vs 民宿って感じですね。我々が逆境に慣れすぎているのかもしれないけど。
結局夜中12時近くまでやって今日の成果は5曲でした。今回PUGSの楽器回りを手伝ってくれているKengo君16歳にとって初めてのスタジオ・レコーディング見学だったのですが、あまりに我々がポイポイ 録ってOKを出していくので思わず『え?これがCDに入っちゃうんですか?』と、素直な質問をしてしまったのでした。とたんに親ほども年上のミュージシャンたちに『ん?なんだこの?文句あんのか、おい?』と詰めよられていましたな。彼の見聞きした知識ではレコーディングというのは、何十曲も曲を用意して何か月もかけてこつこつと行われるものだと認識していたようですが、んなもん、ROCKじゃなかとよ!勢いじゃ、イキオイ!です。

今午前2時14分。あぁ、さすがにちょい疲れてますんで、今夜はもう寝かさせてくださいませ。ではまた、ごきげんよう、おやすみなさい。