遊牧民の爺さんを訪問

チュニジアはアフリカの中でも経済的にはトップクラスで、政治的にも安定しているらしい。だって出発前に予防注射とか打たなくていいんだよ。衛生面も含め、都市基盤はちゃんとしてるって事ね。そういう絶賛発展中の国なんで、政府としては「遊牧なんかはやめて街に住みましょう。文化的&文明的な生活をしましょう」を奨励してるらしい。当然どこに住んでるかわからん遊牧民から税金なんか取れないしねえ。あ、でも税制とかって違うかもね。所得税とかってあるのかねえ。あ、、確定申告の準備しなきゃっと。。。(確定深刻と変換されたのが辛い、、、ク〜ウ、ウ、ウ、ウ、、、)

爺さんは今、この時もあのテントで暮らしているわけよねえ。。。。。テントといっても布が斜に張ってあるだけ。でも雨は年間15日間だけらしいから問題無し。でも今回、そのうちの二日分降らしちゃったんだよねえ。我々をサハラに1年くらい置いておいたら緑地化するのではないか、というのが定説。人類の役にたてる。話がまたもズレズレ、、、。狭い囲いの中にぎっしりとヤギが推定150頭ひしめきあっている。まわりは土地だらけなのに。なぜかと言うと、こうしてるほうが、狼なんかの攻撃にあいにくいらしい。しかも観察するにヤギは寂しがり屋。放牧で夢中になって草をはんでいて、ふと顔をあげて群れから離れたりしているとあわてて走って行く。顔にはあきらかに『待ってちょおおお!なんでえ!?なんで、おいてくのヨ〜〜!』と書いてある。瞳は横長のくせに。


注:以下の部分には、お食事中にはキツイお話しが含まれています

ところで、、、砂漠なんですから、とお〜〜おぜん、御便所はありません。そこで野●●です。字を太くするなって?野●゛ソです。いやああ、いったい何十年ぶりやら。たぶん中学の頃に山登った時以来かも。という事は30年くらいぶり?すごく場所を選びましたねえ。理由は人に見られないように、とかじゃなくて、どこが気持ち良さそうかなああ、、って感じ。わかんないだろおなあ。あそこでないと味わえない感覚だったもんなあ。ちょっと浮き浮きしながら場所の選定したものさ。嗚呼、爽快!


注:以下の部分にも、お食事中にはキツイお話しが含まれています

爺さんは歓迎の印としてヤギをごちそうしてくることに。もちろん冷凍庫からパック詰めのヤギ肉を出して来たりしませぬ。そもそも電気無いしね。一頭選んで「と殺」です。最初に言っておきましょう。『ああ、、、』と思ったのは最初だけ。運命を悟ったヤギは、まるで人間の子供のような泣き声をあげ続け、押さえ付けられ、ナイフでのどを横一文字に切り裂かれる。辛いのはそこまででした。普段は眼にしない=隠されている作業だけど、牛を殺さなきゃマックのハンバーガーだってできないわけで、そういう意味では「ファースト・フード」なんて無い、と実感。皆に見守られつつ丁寧に仕事を施されて我々の胃袋に納まっていったヤギは、工場で機械仕掛けでパック詰めにされていく牛豚鶏よりは敬意を表されたものね。「いただきます」って手を合わせる相手はお米を作った農家の爺ちゃん達だけではなくて、こういうものたちのためでもあるのね。

料理好きな私は魚おろすし、鶏も丸ごとをさばいてカレーにしたりするので、以降はその職人技的手際の良さに見入るばかり。
1. 咽を切ると数秒後にシューーと音をたてて猛烈に出血。血も集めて煮こごりとかにするのかと思いきや、(ドイツ料理とかにもソーセージ等あるよね。)そのまま放置。
2. ある程度血が抜けたら(街では軒先きに逆さ釣りになってて、その場でバーベキューしてた)片方の足首に切れ目を入れて、これが一番ビックリしたんだけど、口で息を吹き込んでいく。すると肉と皮の間に空気が入っていって風船のように膨らむ。こうする事によって毛皮をはがしやすくするのだと思う。
3. パンパンになった胴体の腹側から慎重に開いて行って四肢から抜き、一枚の毛皮のできあがり。これを切り開かずにスポッと靴下のように抜いて皮袋に加工して水筒にしたり、現在でもナツメヤシを貯蔵したりしている。たしか昔はチーズを作る時に醗酵させるのも、こういうの使ってたんじゃなかったっけかなあ、、、??
4. 皮がはがされたら、もうそこにあるのはお肉屋さんのデカイ冷蔵庫にカギでぶらさがっている精肉です。内臓を出して小さく切っていくだけ。もちろん内臓=モツも食するので丁寧にさばいて水洗いしていくのだけど、一つだけ=たぶん胆嚢だと思う=凄くニガくて食えないところなんだけど、それを破ると他の部分もマズくなってしまうので慎重に切り取った後、なぜかつばを吐きかけて投げ捨ててた。なんかのまじないなのかもしれないけど、真相は聞き損ね。ま、聞いたところで『母ちゃんがそうしてるから』という答えだろうけど、いろんな風習があるのね。

さばかれた肉は鍋に入れられ、トマト、ピーマン、ニンジンとともに水で煮込む。味付けは塩のみ。でもこの岩塩っぽいのがメチャ美味しい塩なんだなあ。御当地の主食はクスクス。小麦を全粒のまま石臼で荒く挽いた粉=粉といってもつぶつぶな感じ=を蒸す。鍋でシチューを煮込み、その上に蒸し器を乗せて鍋の蒸気で蒸す。合理的。主婦としては気になる。クスクスは洒落たスーパーなんかだと日本でも売ってる。食感はアワににてるかな。。。アワ=粟(栗ぢゃないのよ)自体わからんか。。。これをホーローの洗面器のような器に盛り=というか洗面器そのものなんだけど=煮込んだシチューをかけて、爺さんは手づかみ。私も真似て手づかみ。素朴でウマイ。『手づかみで物を喰うと手でも味がわかるんだよねえ』としたり顔で言う人がいますが、、、ソンナわけネエエエだろ!

ごちそうさまでした。手を合わせましょう。

The Day 4 終了。

つぎ!