ある日、奄美の盛島さんから唐突に電話がかかって来てこう言いました。
「あのねー、今度、ぼくCD出すからねー」 「は〜あ!???」 我が耳を疑いましたが、それは酔っぱらいの戯言でもハブの毒が脳に回ったのでもなく、斯くの如くほんとうにリリースされるのでありました。 十数年前、奄美のライブハウスASIVIの麓憲吾社長に連れられて盛島さんに出会い、私は音楽家としての目の鱗が土砂崩れました。我々が音楽と称してちまちまとやっている作業はなんなのだ!?音楽なんてこんな風に日々ただ「やってりゃいい」のだ!それでいいのだ!! 以来、奄美を訪ねるたびに仲間のミュージシャンたちを盛島基地へいざない、結果まんまと虜になっていきました。その証がこのそうそうたる人々からのコメントの数々です。 当然ながらCDを創りたいと目論んでいた者は私を含め1人や2人ではありません。しかしながら盛島さんへの想いが強すぎると、さまざまを意識して中途半端な仕上がりになったり、あるいは己の思う盛島像の中へ彼を押し込めてしまったりしそうです。 今作のプロデューサー山本氏は島で偶然に出会い、数日後に彼の小屋で酒を酌み交わしながら唄を録音したのだそうです。そんな「盛島さんの垂れ流し」がそのままCDとなったことは理想的な結果だと思います。彼自身がそういう出会いを引き寄せたのかもしれませんね。そういうオッさんです。 彼を知る者達はデビューと聞いてわさわさしています! 地球の軸がズレた動いた傾いたと騒いでいます!! 彼の声がどのように巷に響いていくのか大注目なのです!!! などという内地の騒ぎはまったく察知せず、今日も犬たちに餌をやりつつ自分は黒糖焼酎を飲み、竪琴を弾いているわけですよ、盛島さんは… スティーヴ エトウ |